料理と調理の分析ブログ

料理や調理に関する疑問を調べて記録しています。

調理時の油脂の加熱について調べてみた。

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スーパーに行くと数種類の油が売られていますが、油自体のいいところや使い方はいろんなサイトや商品に書いてあるのですぐわかりますが、なぜその油が揚げ物に向いているとか、加熱してはいけないとかの理由がわからなかったので詳しく調べました。

図書館から専門書を10冊超借りて調べました。

(この記事は以前書いた記事を編集し直したものです。)

この記事の続きです。
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油脂の加熱

油が加熱に向いているの条件には発煙点と脂肪酸があります。

脂肪酸は前の記事の書いたので省略します。

 

発煙点

発煙点とは油脂を加熱した時に煙が出てくる温度のことです。揚げ物をする時は180℃程度まで温度が上がるため、この温度でも煙が出ない油でなければ揚げ物はできません。この発煙点は油脂に含まれる様々な成分により変化します。

精製された油脂は不純物が取り除かれるため発煙点が高くなり、高い温度でも煙が出なくなります。

 

精製

精製とは原料からとった油脂に含まれる不要な物質を取り除き、品質のよい油にすることで。これにより賞味期限の延長、発煙点の上昇、クセのない味になります。

食用油の多くは精製が行われますが精製することで不要な物質以外にも風味や色なども取り除いてしますため、ごま油やオリーブオイル、なたね油とピーナッツオイルなどの一部のものは油本来の持ち味を生かすために精製の工程を軽減したり、無くしたりして風味などを残しています。

そのほかにも良い成分まで取り除いてしまうため、抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンEなども減少してしまいます。

加熱の向き不向き 

加熱に向いていない油

構造が不安定なリノール酸、リノレン酸が多い油脂(酸化しやすい。)

自動酸化が進んでいない油脂(作られた酸化物が分解され重合物に変化するため。)

精製されていない油(不純物が多いため発煙点が低くいため。)

 

加熱に向いている油

構造が安定しているオレイン酸が多い油脂

ビタミンE(γとδ)が多い油脂(加熱で分解されるがある程度酸化を抑える。)

精製されている油脂

発煙点が高い油脂(油脂の種類によって変わる。)

自動酸化されていない新しい油

構造に二重のつながりが多い(構造が不安定なほどヨウ素価が高く、酸化しやすくなる。)

リノレン酸(n-3脂肪酸)が少ない油脂。(多いと油酔いをしやすい。)

※油酔いとは揚げ物をしている時に臭いなどで気持ち悪くなる現象

トランス脂肪酸

ここで一度話が外れますがトランス脂肪酸の話をしておきます。

トランス脂肪酸とはマーガリンを作るときなどに使われる、水素添加や高温、精製などの仮定で作られる物質で自然界には植物や牛脂などに4%ほど含まれています。

食品では牛肉(特に脂の多い部位)や市販されているパン、ケーキ、ドーナッツ、揚げ菓子など油脂を多く使ったような食品含まれ、特にバターマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを多く使う食品にはトランス脂肪酸が多く含まれています。

トランス脂肪酸は脳への影響、心血管疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの原因と考えられていて、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。

国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合ではトランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalですので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満に相当します。(一部中略、農林水産省サイトより引用)

外食が多かったり、油脂を使ったお菓子や牛肉を頻繁に食べるような生活ではトランス脂肪酸の取りすぎにより、今後生活習慣病のリスクが高くなることが予想されるので気をつけなければなりません。

 

加熱時のトランス脂肪酸

高温でもトランス脂肪酸が作られますが実際の調理でも油は高温になります。その際にトランス脂肪酸が作られる可能性があるかもしれませんが、農林水産省が実施した調査研究では、通常の調理条件下における油脂の加熱(160~200℃)では、同じ油を何度も繰り返し加熱したとしてもトランス脂肪酸はごく微量しか生成せず、健康への影響は無視できることが確認されました。

一般的な油の使い方や揚げ物ではトランス脂肪酸ができるよりも、酸化し重合物ができるほうが多いため、油脂の風味や発煙点の低下などにより油を捨てることになるので健康への悪影響は問題ありません。

トランス脂肪酸は過剰に摂取を控えるよう言われていますが、通常の食事であればそれぼど気にすることはありません。

また他の国に比べ、日本は規制などを設けていないため問題視されることがありますが、トランス脂肪酸は脂肪が多い食事をたくさんとるアメリカなど問題になっているものです。日本は農林水産省が調べたデータによると国際機関が推奨する摂取目標の上限値の半分程度しか摂取していません。

日本人の平均的なトランス脂肪酸摂取量(0.92~0.96 g/日)をエネルギー量に換算(脂肪酸1 gが9.21 kcalとして換算)すると、トランス脂肪酸によるエネルギー摂取量は日本人の平均総エネルギー摂取量 1900kcal/日の0.44~0.47%に相当し、国際機関の専門家会合が推奨しているトランス脂肪酸の摂取目標である「総エネルギー摂取量の1%未満」を達成しており、推奨される上限値の半分程度です。(農林水産省サイトより引用)

一般的な日本の食事では規制するほど問題ではありません。日本ではトランス脂肪酸を気にするよりも食生活を改善することが大切です。

油脂の加熱まとめ

簡単にまとめると加熱に向いている油脂は、新しく、精製された発煙点が高いオレイン酸が多い油脂でビタミンEなどの酸化防止作用のある物質が含まれたものです。

次は油脂を成分を種類別に調べて、それぞれの油脂に合った調理方法を調べてみました。

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